日別アーカイブ: 2015年8月24日

油絵科以外も必見かも?測り棒の落とし穴

こんにちは、油絵科昼間部講師の仲間です。
「この前初めて気付きました。」と海老澤先生が嬉しそうにしていました。
「固定観念は恐ろしいものです。」あれ?いつも言ってることだよなと思いつつ聞いてみると、とても面白い話でしたのでブログのネタに使わせてもらいます。(本人はめんどうくさがってなかなかブログを書いてくれないので代わりに私が投稿させていただきます。;;)

以下海老澤先生談

デッサンで長さを測るとき、スポークを使うことがありますよね。上級者になると殆ど使いませんが……。
腕を曲げて測っていると、その都度ごとに距離が違うので正確には測れませんよね。ですから先生に「腕をしっかりと伸ばして測りましょう。」と、言われます。そのようにどこでも教えていると思います。石膏像でも頭の大きさが、体に比べて何頭身あるか測る場合があります。また頭部の横幅と下部の横幅を比べる場合などもあります。

それを信じると形が大きく狂うことを発見しました。

普段は同じ長さの(若くはそうだと思っている)物を測りませんよね、たまたま木炭紙を目線と直角にしようと思い、上下にパースがつかないように木炭紙の上と下の辺の幅を測りました。しかし、どう見ても直角になっていない。そのようなことがあり、アトリエ内の棚を使って確認してみました。中央の線を目線の高さに合わせ、上下の辺の幅にパースをつけないようにしてスポークで測ってみたところ、底辺の幅はものの大きさ、距離によって違いますが1割2割くらいと長くなります。これではおおよそのあたりにもなりません。

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そこでよく考えたら腕の回転軸の肩は眼よりかなり下にあることにより、下部を測るとき、腕を伸ばして安定した状態で測っても、眼からの距離がじょうぶの時よりかなり長くなります。
この計測方法ですと、下部の形が大きめに狂うことになります。その当たり前のことに今更ながら気付きました。

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因に、デスケルは見上げの時と見下げの時はパースが付き、糸で吊るされた5円玉では両脇の垂直線と一致しません。学生の頃からデッサンの基本でよく言われている計測方法は見上げ見下げの場合は違うと分かっていました。
しかしスポークの長さの比例関係の計測がまったく正確ではないとは……。
要するに、形を計ったから正確なはずだという思い込みが形を狂わせます。自分の目を鍛えて固定観念、先入観、錯覚に騙されないようデッサン力をつけて下さい。
以上海老澤先生談

とのことです。いかがでしたか、私は驚いてしまいスポークでズレを測る?ことがちょっとしたブームになりました。

それでは夏期講習も間もなく終わりとなりますが、充実した夏は過ごせたでしょうか?講習会参加者は短い期間ながらも着実に力をつけていく様子が目に見えて刺激的です。25日からは2学期までお休みがありますね。ゆっくりと体を休めてください。

それでは新学期もシンビでお待ちしております。