月別アーカイブ: 2015年9月

高校生デッサンコンクール開催

高校生デッサンコンクール開催していたんですね~。

シルバーウィークは渋谷校受験科の保護者会があったりで、私は不参加でしたが、新宿校はとっても盛り上がっていたようです。
遠方からも参加があったそうで、集まった作品は200名以上。

予想をはるかに超えていますねぇ。本当に驚きました。

皆さんの熱気を想像して私のモチベーションも上がっちゃいます。

ご参加いただいた皆さん、お疲れ様でした。

渋谷校の基礎科生のみなさんも、多数参加しました。

参加するからにはいい結果を出してほしいと思いまして、、、2週ちょいを石膏課題に使いました。

形が苦手だという生徒の皆さんにとっては少し苦しい特訓期間。

ですが、渋谷スタイルは先生が日替わりなので、いろいろな先生から遠慮なく形を直すように指摘されます。

口頭で伝わらなければ、加筆やデモストで指導していきました。

また、客観的な把握の仕方や修正の仕方を次々に教わっていました。

マニアックな先生も多いので、触る人、舐めるように見回す人、とにかく図る人、と関わり方もいろいろです。
すると、少しづつ的確に捉え、的確に描くことが出来始めます。

学年も経験値も関係なく、やればやっただけ上手く描ける。

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生徒作品です。時間が短く手数はこれからですが、印象の捉え方は自然になってきました。

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コンクール本番の成功も失敗も時の運ですが、底力をつけることは少しできたのではないかと思います。

思うような結果が出なかった人も、ドンマイドンマイ。

次の機会に向けてコツコツ頑張ろうねっ!!

こういうシンプルな競技って、スポーツでもそうなんですが、ほんとに楽しいですよね。
私はこういう遊び、ムキになるタイプです(笑)

特に油絵科を志望しているんでなければ、石膏デッサンは受験のマストアイテム。

皆さんも、引き続き頑張ってみてください!!!

映像科:『Your Body is Yours』

こんにちは、映像科の講師の森田です。
二学期はイベントも盛りだくさんですね。前回告知した公開コンクールは受験に直結したイベントですが、先週行われた「全科合同・秋のデッサン祭」は「祭」というのにふさわしく、授業という日常を飛び越えて、なかなかの盛り上がりでした。
日程の問題もあり映像科からは参加した学生がいなかったのですが(ファイン系/デザイン系を前にして「デッサン祭」という響きにちょっとひるんでしまったのかも…)、審査の方は映像科主任として参加させていただきました。「わたしを描く」という課題へのアプローチの面白さや、それぞれの得意技を活かしたデッサン、デッサンとは言えないくらいにコンセプチュアルな作品など、映像科の実技を制作する上でも参考になることが見えてくると思います。
講師による審査は終わりましたが、webでの投票はまだできるらしいので、ぜひどうぞ!

*  *  *

さて、そんな中今回は秋のオススメ展覧会情報です。シルバーウィークは新美のイベントが盛りだくさんだったため、先週自主的なシルバーウィークとして大阪の国立国際美術館にヴォルフガング・ティルマンスの『Your Body is Yours』を観に行ってきました。会期は23日までということで、お勧めしたところで今から観に行くことはできないですが…。しかしティルマンスについては映像科の人はもちろん、それ以外の専攻の人もぜひチェックしてみてください。

2012年東京都現代美術館のトーマス・デマンド展や、2013年国立新美術館のアンドレアス・グルスキー展など、ここ数年ドイツの現代写真の大規模な展覧会が開催されていますが、ティルマンスもドイツの出身。ドイツの現代写真というと教科書的には、デュッセルドルフ芸術アカデミー/ベッヒャー夫妻の影響が言われます。デマンドやグルスキーはその系譜として説明することもできると思いますが、ティルマンスの写真は一見するとそういった作品とはまた違った印象を受けます。

ティルマンスの作品の特徴としては、それが「スナップ写真」であること、あるいは「スナップ写真のように見える写真」であることが挙げられます。特に初期の頃の作品では小型のカメラで身近な風景や友人を写したものが多いですが、そうした写真がなぜ作品になるのか?というのは、それ自体が写真について考える上では本質的な問いでもあります。近年の作品では写真プリントそれ自体をオブジェクトとして意識するような作品があったり、複数の写真を重ねてひとつのイメージを構成していたり、さらに今回の展示では、プリントアウトされたテキスト(主にはニュースサイトなどの記事や図版)がインスタレーションの一部として、撮影された写真と(ある意味では同等に)扱われていたりして、全体として「イメージとは何か」ということを考えさせられる作品です。

また写真の展示の仕方も「ティルマンス以前/以降」と言われることがあるくらい、今ではそれほど新しさは感じないですが、サイズの違った写真を壁面にランダムに貼っていく方法、その貼りかたもテープやピンで留めたりなど、一見するととてもラフに思えますが、隣り合った写真同士の関係や、空間全体のレイアウトなど(当たり前ですが)実際は計算されたインスタレーションとして制作されています。今回の展示では10以上の展示室それぞれがかなり明確なテーマによって構成されていて、単に写真を写真として「見る」というよりも「(複数の写真の繋がりを)読む」ような体験ができます。

…と、少々硬めに解説してしまいましたが、実際にその展示を見てみると普通に「かっこいい」とか「写真って面白い」という感想が挙げるのもティルマンスの写真の特徴です。日本では11年ぶりの大規模な展覧会とのことでしたが、さて次はいつでしょう? 興味を持った人は海外まで出かけるか、写真集を眺めつつ気長に待ちましょう。

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図録はこんな感じ。中を開くとタイトル『Your Body is Yours』の文字が。

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自画像クイズ

こんにちは。油絵科の関口です。
さて、新宿校では9月の2?3週目に掛けて、科の垣根を越えて、全科合同コンクールを行いました。実施された日はバラバラですが、B3サイズ縦構図限定の二日描き。課題は「わたしを描きなさい」鏡の使用は自由、というもの。油絵科の学生にとっては普通の課題ですが、他の科の学生にとっては難しい課題だったかもしれませんね。
実直に鏡を見て描いた、いわゆる「自画像」として魅力的な作品や、面白い発想の作品など、色んなものがあり、審査していて楽しかったです。
各階の廊下には、上位作品が貼り出されていますので、興味のある人は、色んなフロアを訪れてみて下さい。残念ながら今回上位に選ばれなかった人も、勿論この結果が全てではありませんので、今後のバネにしてもらえたら…と思います。

 

コンクールはさて置き、今日は自画像に焦点を当ててみたいと思います。
自画像と言っても色んな解釈があると思いますが、狭義には「自分自身を描いた肖像画」という事になります。

様々な画家が自画像を描いています。さあ、誰が描いた自画像か分かるでしょうか?

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割とメジャーな画家ばかりですが、これが全部分かった人は、よく勉強している人だと思います。
こうやってみると、本当に個性的で色んな自画像がありますね。答え合わせは一番下です。

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どうでしたか?「ん?、何か見た事がある」「これなら知ってる!」という絵もあったと思いますが、もし半分も分からなかった人は、もっと色んな作品を見た方が良いと思います。絵の勉強は、描く事と同じくらい、絵を見る事が大切ですから・・・。

答え
1.ドラクロワ、2.ハウズナー、3.ピカソ、4.フリーダ・カーロ、5.北斎、6.フロイド、7.ベーコン、8.ベックリン、9.ボナール、10.ヤンセン、11.マティス、12.モンドリアン、13.ラファエロ、14.ルーベンス、15.ルソー、16.レオナルド・ダ・ヴィンチ、17.ウォーホル、18.モディリアーニ、19.アンソール、20.エル・グレコ、21.カラヴァッジョ、22.デ・キリコ、23.クレメンテ、24.ゴーギャン、25.ゴッホ、26.ゴヤ、27.コロー、28.シーレ、29.ダリ、30.セザンヌ、31.シャルダン、32.ティツィアーノ、33.レンブラント、34.松本竣介、35.靉光

 

日本画 秋の大作週間!

こんにちは、日本画の佐々木です。
熱い夏期講習を終えて、受験まであと半年…受験に向かって頑張るぞ!の、前に。
9月はちょっと楽しいことをして、ここから先の英気を養おう?!

ということで、今週は大作期間でした。
普段はP20のパネルに着彩をしていますが、思い切ってB1パネルでの制作です。
期間も一週間で、モチーフも教室全体を使ってセットします。
初日はモチーフ倉庫から思い思いのものを選んで、どんなセットにしようか考えます。

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あーでもないこーでもないと倉庫?アトリエを何往復もし、花が足りなければ花屋に走り、
普段あまり体を動かさない絵描きの卵たち(と、講師)には、一日がかりの重労働でした…。
この日は非常によく眠れました。翌日からはいざ制作開始です。

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大きな画面でみんな苦戦するかとおもいきや、何だか普段よりいい描きっぷり。
か、描けるじゃん!!!!とツッコミ入れたくなりました。
なんででしょう?やっぱり描きたいモチーフだと気合が入るのでしょうか?

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段々形になってきました…!

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画面に空間が出てくると、描いている手が実際にものに触れているように見えて
ちょっと感動です。

そして講評!
せっかくなので、講評前にお互いの作品を鑑賞します。
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完成した生徒作品、こんな感じに仕上がりました。
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この他にもいい出来の作品がたくさん出ました。それはまたパンフレット等でお披露目します!

みんなに楽しかった?と聞いたら、なんだかぐったりしていましたが、自分でモチーフを選んで描いた分、やっぱりいつもよりも魅力的に描けたのではないかなと思います。
こんな気持ちで普段のモチーフにも取り組めるといいですね!
大作、おつかれさまでした!

先端科です

こんにちは、先端科の冨樫です。

2学期スタートしました。今年の9月はなんだか涼しく、過ごしやすい毎日ですね。制作の秋、ギアチャンジのタイミングです。

さて、じつはわたくし先月ベネチアビエンナーレに行ってまいりましたので、今回はちょっとそのときの様子をレポートしたいと思います。といっても、ここでひとつひとつの作品について解説する体力はありませんので、旅ブログほどの情報量しかございませんが、16GBのiPhoneの容量をはるかに超えた(ありがとうグーグルフォト…)写真フォルダの中から、いくつかアップさせて頂きます!

ところはイタリア、水の都ベネチアでございます。

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ベネチアビエンナーレというのは、世界で最も歴史のある現代美術の国際展です。「ビエンナーレ」いうのは2年に一度という意味ですから、開催は隔年です。今年は第56回目にあたります。ベネチアビエンナーレはしばしば、「現代美術のオリンピック」と形容されることがあります。そのわけは、ベネチアビエンナーレ特有の展示形式にあります。メインの展示は主に2部構成になっていて、ひとつはその年のテーマにそって世界各国から選ばれた作家が参加する企画展。そしてもうひとつが、「パヴィリオン」とよばれるものです。これはビエンナーレのメイン会場に各国がそれぞれもっている自分の国専用の展示会場(これが「パヴィリオン」です)で行われる、各国代表のアーティストたちによる展示です。これが、「現代美術のオリンピック」と呼ばれる所以になっています。とまあ教科書的な説明はこのくらいにして、さっそく今年の展覧会の様子をすこしですがのぞいてみましょう。

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なにはともあれまずは日本館から(笑)今年の日本代表は、糸を巧みに使った作品で知られる塩田千春です。糸の先には無数の鍵が結ばれています。

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お次ぎは現代美術の本場、アメリカ館です。ベテランの映像作家ジョーン・ジョナスのソロショウです。(言い訳ではなく、写真で伝えるのがめちゃくちゃ難しい作品です。。。)映像とパフォーマンスが何層にも交錯して、かなり多層的な画面になっています。個人的には、彼女の作品を前に東京のギャラリーで観て以来のファンなのですが、これだけの規模の個展を観ることが出来て感動です!ベテラン作家の気合いの入った素晴らしいインスタレーションでした。

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続いてヨーロッパから、まずはイギリス館。サラルーカスのソロショウです。ダミアン・ハーストの同級生、いわゆるYBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)のひとりです。ヤングと言っても、彼らもすでに大御所ですが。。彫刻に合わせて壁もイエローです。後を引いて印象に残る、なんとも言えないかたちをしております。

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続きましてこちらドイツ館。ドイツ館はグループショーでしたが、なかでも今年のベネチアの注目株のひとり、ヒト・シュタイエルの映像インスタレーション。会場全体に青いレーザーの格子が走っていて、さながら3Dキャプチャのラボみたいな雰囲気。映像も、架空のゲームをモチーフにしていて、夢か現実かわからなくなる仕掛けが徹底しています。なんじゃこりゃ!!

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こちらは芸術の都、フランス館です。こいつら、動きます。外にもいます。(以上)

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これも写真だとわかりずらいんですが、これ、要は巨大な貯金箱です。コインを入れるとなが?いレールを通って反対側の壁に貯金されます。そういえば、小学生の時の夏休みの工作の宿題が貯金箱で、さらにいかに創意工夫をこらした貯金箱コンクールなんてのがあったなあ、それにしてもなぜ貯金箱だったんだろう・・、夏のベニスで一瞬遠い目になったのでした。あ、ちなみにカナダ館です。

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これはハンガリー館(だったはず。。)ときどき空気圧で、ビニールのチューブの中を玉が動きます。なんかちょっと禅の庭っぽくもある・・!?

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一枚目の写真でわかるかな。ダリのソファーに座って、ダリのインタビューなんかが見れます。ですね。ということはスペイン館です。下のは、作家の名前を忘れてしまった。こいつ、回転してます。マイクが引きずられて、ゴッゴゴゴっゴゴッて鳴ってます。なんだそのアイデア・・なんかかっこいいじゃないか。。

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これはベルギー館からジェームス・ベケットの作品。若手です。これまた写真じゃ分からないですが、後ろの棚に整然と並んでるのは、石です。地名や番号が刻まれてるので、石版みたいなやつです。これがなんと、全自動石版順番に並べるマシーンによって、手前のテーブルに並べられては片付けられていきます。なんだこのハイクオリティは。、

 

さて、ここからは企画展です。

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まずは実験映像の大御所、昨年惜しくも亡くなったハルーン・ファロッキの映像インスタレーション。あらゆる職種の労働者の営みをワンシーンワンカットで記録するという、たしかこれ彼の晩年のプロジェクトだったと思うんですが、そのインスタレーションバージョンです。映像そのものはすべてvimeoにアップされてたはず(?)しかしこのインスタレーションがよくできていてびっくり。同じ時間に映る映像の関係がよく練られている。vimeoでひとつひとつ観た時よりも断然良かったです。

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あとで出てくるこれまた実験映像の巨星クリス・マルケルとともに、ファロッキは今回の企画展でかなり大きく取り上げられてました。これは、彼の全作品のアーカイブ展示。

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こっちがマルケルなんですが、う?ん、写真じゃぜんぜんわかんない・・・

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これは中国の作家。名前を失念してしまいました。。よーく細部をみると、中国の伝統的なモチーフや意匠が、ユーモラスティックな造形でひねられていて、見飽きない作品

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アースワークの巨匠、ロバート・スミッソンのドローイング!ほんものはじめて観ました

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取るに足らない素材からパワフルなインスタレーションをつくってしまうこの作家は、トマス・ヒルシュホルン

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ドイツのコンセプチュアル・アーティスト、ハンス・ハーケの部屋

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これはゲルハルト・リヒターの奥さん、イザ・ゲンツケンの代表作ですね。文句なしにかっこいい・・・

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実はゲンツケンと同じ部屋の壁にかけられているのは、以外にもアメリカの写真家ウォーカー・エバンス。この部屋は個人的にぐっときました。IMG_3051

外に出ると、インドの現代アート集団ラックス・メディア・コレクティブによる、メタモニュメントとでも言うべき彫刻群。

 

今回は余裕がなくてかなり大雑把な紹介になってしまいました。。(ごめんなさい)

まだまだ見せたい写真はたくさんあるし、もう少しちゃんと紹介しないとなあという気持ちもありますので、先端科以外の生徒でも、お昼休みなんかに新美内で見かけたときに声かけてもらえれば、どんどん紹介する所存です。ではでは芸術の秋、エンジン全開でいきましょう!