日別アーカイブ: 2014年11月17日

公開コンクールが終了して

油絵科 箱岩です。

先日の公開コンクールに、ご参加いただいた皆さん、お疲れ様でした。油彩&デッサンのダブル受講をされた皆さんは疲れがたまったことでしょう。外部からの受講者も多数有り、大変活気あるコンクールでしたね。

僕も2週連続の日曜出勤と、別件の仕事でのトラブルが立て込み、必要以上に充実した日々でした。

しかし、ストレスの捌け口が作れない日々が続いてしまうと、メンタルの弱い私はすぐ体調を崩します。まんまと、鼻風邪をひいてノックアウト寸前の日曜日でした。お恥ずかしいw

それでもせっかくの休みなので、一切、心を「空」にして水辺の景色を楽しんできましたよ。

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気持ちの切り替えの方法は人それぞれですが、いろいろと悩まずに何かしら行動を起こすことで脳はポジティブ・シンキングへと切り替えやすくなるそうです。メンタルが疲れたなと感じたら、思いつきのワンアクションを心がけると良いかも知れませんね。

さて、先日のコンクールで感じたことを今日の本題にしたいと思います。

率直な感想として、受験生の大多数の考えが窺い知れて、個人的に大変参考になりました。

講評しながら感じたのは、イメージや、テーマに対する取り組みの甘さです。

大多数の人が「そこそこのイメージ、そこそこのコンセプトでも、絵的な部分でクオリティーを上げりゃ良いんでしょ」と言わんばかりの絵を描いているなぁと感じました。もちろんその考えでは、構図も、モティーフの使い方も消極的で希薄になってしまいがちです。

上位であっても、作品の第一印象がそうなっている作品は「伸びしろ」が感じられず、逆にそこが充実している作品は、技術度返しに高評価につながっていたのではと思います。

とある生徒の個別講評で、本人の絵が上位だったこともあり、褒めるべき所から話し始めたのですが、どうも本人の顔色が冴えないので、???となった私は質問してみました。

「あれれ、表情が曇ってるね。上位だったけど何か思いどうりにいかなかったのかな?」

すると、ウンとうなずいて自分の最初のイメージやコンセプトを話してくれ(正直、内容が難しく、表現するのは厳しかった様子)て、自分で納得できなかったのに高評価でも喜べないということのようでした。

だとすると私の褒め言葉はさぞ追い討ちをかける事になったでしょう。本当に、ごめんなさい。

皆さんこの方はなんと現役高校3年生ですよ!!本当に末恐ろしい「アートの鬼」の出現です。受験やコンクールの順位よりも、今自分が表現したい事に、これほど本気でいられる精神の強さ。本当に素晴らしいと思いました。

常々、担当の生徒に話していることですが、試験さえ突破すればどんな方法でも良い。そんな薄っぺらな即興の受験対策で大好きな絵の世界を汚してしまっていいのでしょうか?

確かに受験は競争です。けれども、美術は盲目的な修行の果てに体得する技術ではないのです。

努力とは、目標を実現するための思考量です。「すればいい」のでも「やらなければいけない」のでもありません。受験は、いうなれば絵画という遊びにおいて、誰が一番、絵画好きであるかの意地を比べていると思ってもらえばいいのです。新美では、そんな熱い想いの実現と、それを認めさせて志望大学合格を勝ち取る。この欲張りな目標を意地でも実現したいと思って指導しています。

冬の到来を予感させる寒さが続きますが、インプット、アウトプットのバランスを整えて健全な心を手に入れるのと同時に、今一度、アートに生きたいと願う皆さんの「本気」を表現の原動力として出してしまえばいいのじゃないかと思います。

最近どうもお説教くさくて駄目ですね。次回は何か面白いネタが用意できるといいのですがw