日別アーカイブ: 2014年8月17日

先端科校外授業?横浜トリエンナーレに行ってきました?

こんにちは、先端科です。

先端科の夏期講習は、とにかく作品をつくる、なかなかハードな授業です。アトリエの中だけで「美術ってなんだろう?」「作品てなんだろう?」ということを考えていると、ときには必要以上に煮詰まってしまいます。そういうときは、外に出て、他の人の作品を観に行くことで何かヒントを得たり、ときにはアイデアや技術を盗んだり、とにかく漠然と「自分もなにかつくりたい」という欲望をかき立てられたり、ということがあるものです。そこで、今回は気分を変えてインプット編ということで、新宿を飛び出して、現在開催中の横浜トリエンナーレを観に行ってきました。

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トリエンナーレというのは、3年に一度開催される現代美術の国際展のことで、日本のアーティストだけでなく、海外からもたくさんのアーティストがやってきて作品を発表します。

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今回の横浜トリエンナーレは「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」というテーマで、メイン会場の横浜美術館に入るといきなり<芸術のゴミ箱>があります。これはイギリスの作家、マイケル・ランディの『アート・ビン』という作品です。

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これは、壁の前に壁を建て、部屋の中に部屋を設けて自宅を改造する『家 ur』という作品を(なんと16歳から)続けているというグレゴール・シュナイダーが、横浜美術館内で最も気に入った場所で制作したというインスタレーション『ジャーマン・アンクスト』です。

なるほど、たしかに裏を返せば、気に入らない場所に自分の作品を展示するということについても考えさせられます。新美のお気に入りの場所を探してみたくなりますね。

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そのモノだけでなく、その背後にある美術や社会の歴史を知ることで、より深くその作品を通して世界を考えることができます。そのような背後にある文脈をそのつど講師が補足しつつ、作品を鑑賞して行きます。また、自分一人だと、作品を観てわからないことは黙って持ち帰るしかありませんが、みんなでまわることで、その場で各々のわからないポイントを共有することができました。

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作品の内容だけでなく、具体的にどんな方法でつくられているか、どのような見せ方をしているか、お客さんとしてではなく、つくり手の一人として観ると、観るポイントもぐっと増えてきます。
(ちなみに生徒が丸めて持っている赤い紙は、フェリックス・ゴンザレス=トレスの持ち帰ることができる彫刻の一部です。)

一日朝から晩まで作品を鑑賞したので、授業後は講師も生徒もくたくたになりました。今回得たことを整理するにはしばらく時間がかかりそうですが、その第一歩としても、この後の作品講評会が楽しみです。