日別アーカイブ: 2014年7月23日

私大デザイン補習⑥

大島です。では第6回。最終回です。

この記事のアップロード日は7月23日になっていると思いますが、書いているのは7月28日です。ちょうど夏期講習の前期と後期のあいだの休日です。

第5回まで書いて、実は第6回はどんな内容にするか全く決めていませんでした。
もっと実用的な内容にしたほうがいいかな…となんとなく考えていたものの、色彩構成に必要なもうひとつの要素について触れて終わりたいと思います。

色彩構成の基本的要素としてこれまで「色彩」と「構成」、そして「メッセージ」を挙げさせてもらいました。もうひとつ要素を挙げるとすれば「アイデア」です。
デザインにおいてはこのアイデアこそが、人を驚かせたり、感動させたり、振り向かせることに繋がるのです。

いくら作品にメッセージをこめたとしても、そもそも作品をきちんと見てもらわないことには伝わりません。そして人はすでにどこかで同じものを何度も見たことあったり、周囲と同じようなものに人は感動してくれないのです(そのなかで一番クオリティを出すことができれば話は別ですが…)。

では、どうすれば周囲と差別化できるような優れたアイデアを思いつくことができるのでしょうか?私の力では残念ながら「優れたアイデアを思いつくための方法」を教えることはできません。
しかし「アイデアを生み出す方法」については、皆さんに一冊の本を勧めることができます。

idea

 

「アイデアのつくり方」という本です。そのままのタイトルです。
もっともこれはいまさら私が触れるまでもなく、すでに大変有名な本です。
例えば皆さんが今後大学に入学し、広告業界を目指すのであれば、おそらく聞いたり読んだりすることになるはずです。

アイデアこそが広告に精神と生命を吹きこむ。
広告制作者がその手腕を発揮する上で、これより大切なものはない。

知識はすぐれた創造的思考の基礎ではあるが、十分でない。
知識は、よく消化されて、最終的に、新鮮な組み合わせと関連性をもった姿となって
心に浮かび出てこなければ意味がない

私自身は大学時代に初めて読み、当時は「なんて当たり前のことを書いているんだ!」と思ったものです。しかし時間が経つにつれて、新しい発想…すなわち「直感」を生み出すためのプロセスを明快に言葉にしたこの本は、やはり読んでおいて良かったと素直に思います。

詳しい内容についてはアマゾンのレビューを読んでもらえればだいたい分かりますし、ググっても山ほど出てきます。サラッと要約すれば

①資料を集める。
②集めた資料の関係性を考えてみたり、とにかく考え抜き、メモしておく。
③いちど時間を置く。その問題について忘れリラックスする。
④常に頭の片隅でその問題について考える。
⑤最終的に出てきたアイデアを具現化させ、反応を確かめる。

みたいな感じです。
さらに自己流で美大受験生向けに要約すれば「デザインやアートについてたくさん観たり聞いたり調べなさい、常に自分や他者の作品のことについて考えていなさい、自信がなくてもとりあえずきちんと作品を作って周りの反応を確かめなさい」てなとこでしょうか。

もちろん「色彩論」同様、気になったら自分で読んでみてください。薄い本なのでたぶん1時間あれれば読めます。

最後を「アイデア」で終えたのは、前期講習会を終えた時点でどうやら皆さんにいま不足しているのは「インプット」だと感じたからです。

講習会については連日「アウトプット」が続いていますが、インプットなくしてアウトプットするのは雨が降らぬダムから水を垂れ流し続けること。すぐに枯れてしまいます。

皆さんは未来のクリエイターなのですから、受験という枠にとらわれず、たくさんのものを観て、感動して、そしてアートやデザインについて考えて欲しいと思います。それでは、また近いうち。

 

 

日本画科便り7- 夏期講習会START!?

日本画科講師の金子です。

炎暑しのぎがたいこの頃。蝉の声が聞こえる季節となりました。一学期期末コンクールも無事終えることが出来ました。

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自分自身の長所と短所、出来ていることと出来ていないことを理解し、弱点克服に繋げていくことが大切ですね。

 

さて、暑さも本番。いよいよ夏期講習会が始まりました。

夏期講習会は前期・中期・後期と3期に分かれ、日本画科では5つのコースが設定されています。夏期講習会においては、基礎を確実にし、弱点を徹底的に克服します。

「前期総合コース」、「中期総合コース」、「後期芸大コース」においては制作時間を長めに取り、各々の課題点を克服するための対策を行います。また、「後期私大コース」では、多摩美術大学と武蔵野美術大学の入試傾向を理解し、目標を見極める学習を行います。このコースは、12日間全てが一日課題のため、毎日講評を行います。

外部から受講する方は、それぞれの課題点を理解し、また、共有するため、講習始めと講習終わりに最低でも2回の個人面接を行います。受験において経験豊富な日本画科講師陣が、ひとりひとりとしっかり向き合ったきめ細やかな指導を心掛けていますので、安心して受講していただければと思います。また、地方から受講する方は、生活面などにおいても不安な事が多いことでしょう。そのあたりも出来る限りバックアップしますので、お気軽にご相談下さい。

この夏期講習会でレベルアップを目指して頑張りましょう。

 

日本画科受験についても質問があれば講師がお答えします。お気軽にどうぞ。
また、日本画科に興味ある受験生がいらっしゃいましたら是非見学にいらしてください。

健康に留意し、夏期講習会を乗り切りましょう!

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