日別アーカイブ: 2014年7月12日

新美先端、夏期講習会【前期】はじまります。

先端科です。

夏期講習会「前期」のお知らせ。

新美先端科の講習会は、前期と後期に行われます。

前期は1次試験対策(素描・小論)、後期は2次試験対策(総合実技・作品制作・ファイル制作)です。

【前期】

7月20日(日曜日)?27日(日曜日)までの8日間のコース

7月22日(火曜日)?27日(日曜日)までの6日間のコース

※6日間のコースは高校生のスケジュールに合わせています。

授業時間は9:00?18:00の8時間です。

小論、素描とコースに分かれての授業です。

【小論】

「小論文」という言葉を聞いただけで、どこか身構えてしまったり、自分に書けるだろうかと不安になってしまうという人もいるかもしれませんが、心配することはありません。先端科の入試で求められる能力は、そのような心配とはもう少し別のところにあるからです。

まずは「小論文」ということにあまりとらわれずに、自分が「おもしろい」とか「なぜか気になってしまう」とか「わかりたいのにわからない」とか、少し時間をかけて考えてみたいと思える事柄を見つけ、それについてしつこく考えてみることから始めましょう。そのときに、文章にする、文章を書くという行為が考えを先に進めるための助けになってくれます。言葉や文章を使って物事を考えることは、自分のアイデアを発展させたり、さらにそれをかたちにし、他者に伝えたりするための力を鍛えることです。新美の小論文の授業では、一日一つの課題に取り組んでもらい、ひとりひとりのアイデアの種が、それを論述するなかでどのような方向に成長していったのか、ときにはその先の可能性までを、丹念に観察しつつ講評していきます。

課題文は、講師が毎回幅広い歴史や分野の中から、私たちが生きているいま現在考えるべきテーマや視点、トピックを含むようなものを出題しています。小論文を書く行為自体は個人的なものですが、他の人が同じ問題についてどのように考えたのかを知ることができるのも、授業ならではの大切な経験になるはずです。

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【素描】

素描は、1日1課題、基礎と応用を織り交ぜた課題です。

基礎課題では、デッサンの基礎からはじめますので、これまでデッサンを描いたことの無い人でも気楽に参加してください。物をしっかりと観察し、捉えたものを画用紙に鉛筆で表現することは、普段の作品制作と重ね合わせることもできます。「いかにして目の前の世界が成り立っているのか?」美術作品には欠かせない問いです。対象を捉えることと表現することを同時に試みることも素描の特徴です。この機会にじっくりと素描に取り組んでください。

※モチーフに人物モデル、動物、そして塑像(粘土での造形)も予定しています。

素描

木彫作品制作1 頭部の内ぐり作業。

こんにちは。彫刻科の小川原です。僕の制作ですが頭部も佳境に入っていきます。
毎回作品は体の中が空洞になっていて、目は空洞にしています。なんで目を空洞にするのかと言うと、目があると生身の人間の印象が出てしまいますが、僕はもっと神聖な印象の作品にしたいと思っているからです。そういった意味ではいわゆる「生命感」から出来るだけ離れたものにしたいと考えています。
という訳で頭部が大分形になってきたところで頭部の中を空洞にする作業を行いました。

いきなりですがのこぎりで顔面を切り離します。
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ここから内ぐり作業開始!
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空圧で自動で彫り込んでいける鑿や、エアーリューターで内側を削ってお面みたいな形にします。
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次は本体側の作業です。ドリルでどんどん量を削り落としていきます。
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ドリルの隙間を鑿で落とした状態。
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目や口から入った光で内側が見えないように中は黒一色で塗りつぶします。
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あとはダボ(プラモデルを組み立てる時に合わせる突起のイメージ)を差して接着剤でくっつけます。今回はゴムバンドで固定。なんかコソ泥スタイルになってしまいました(笑)
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次回は耳を彫り込んでいきます!

一学期終了!

基礎科講師の佐々木です。
ついに一学期の授業が終了しました!
基礎科最後の課題は専門課題の日本画とデザイン、デッサンは石膏と自画像でした。

 

今回の日本画のモチーフはこちら。
夏らしいけれど、ちょっとシャープな印象のモチーフにしてみました。

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出来上がった学生作品です。
まずはデッサンの段階。

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そして着彩!
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まだ拙い部分はありますが、今の時期にこの仕上がりはなかなかの安定感ではないでしょうか。
難しいガラスや水の表現がとても良く出来ています。

 

日本画以外の作品も、一学期最後に力作が出揃いました。

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一学期を通してしっかりと積み上げてきた基礎力を、夏期講習で練り上げて揺るがない実力にしていきましょう!

私立デザイン補習②

こんにちは、大島です。
というわけで補習第2回です。
前回はヨハネスイッテンの色彩論について書きました。みなさん色彩の対比について調べていただけたでしょうか。まだなら、いますぐにでも調べてみてください!

さて、デザインの基礎で大切なことは「色彩」のほかにもうひとつあります。
そうです、「構成」です。
ちょっとソレっぽくいうとComposition(コンポジション)というやつですね。

現代のビジュアルデザインにおいて色彩の考え方がヨハネス・イッテンなら、構成の考え方はワシリー・カンディンスキーという人がベースになっています。
(ここでは詳しい説明は省きますが、どちらもドイツの美術学校、バウハウスの先生でした。)

構成とは、これまた前回のようにざっくりと説明すれば、「Element(エレメント)=要素をどう組み立てるか」ということです。

みなさんはその構成する力を磨くために日々受験勉強に勤しんでいるわけですが、カンディンスキーは構成に使われるエレメントを3つに定義しました。

それは点・線・です。

色が原理的には「赤・青・黄」の3原色からできているように、いわば構成も「点・線・面」の3つの主要素をいかに扱うかが基本となるのです。

(厳密に言えば平面上に描くときは点や線もある意味では面として扱われるでしょうから、その境界は曖昧ともいえますが。)

線には直線曲線の2種類があります。
平面上のあらゆるカタチは直線と曲線の組み合わせによって作ることができます。そして曲線にはフリーハンドで描いたような自由曲線と、道具を使って描いた幾何学的曲線があります。

また、その線や面を使って描けるカタチは無限にありますが、円・三角形・四角形が基本的なカタチです。それらのカタチが人間にとって判別しやすく、古来よりなじみ深いそうです。

「構成」と聞くと難しく思ったり、よくわからないと思う受験生も多いと思います。事実、絶対的な正解というものはありません。

しかし、その基本として「構成」とは「点」と「線(直線、自由曲線、幾何学的曲線)」と「面」、そして「円」と「三角形」と「四角形」の組み合わせというシンプルな原則をおさえておけば、構成することがきっともっと楽しくなってきますよ。

 

kandinsky
《trente 》  Wassilly Kandinsky