日別アーカイブ: 2013年11月19日

冬期講習に向けて。

こんにちは、彫刻科の小川原です。急に寒くなりましたね。風邪など引かぬよう気をつけてください。2学期も終盤に近づき、入試に向けて気持ちが高まっていることと思います。体調管理も実力のうち!ここからが本当の勝負です!万全の体制で冬期講習に臨めるよう気を張っていきましょう!
それでは日々の課題での作品をいくつか紹介していきます。
昼間部、M.Nさんの作品。ヴェンナのヴィーナス。IMG_3196
6時間での制作です。短時間の中で、やるべきことをしっかり網羅することが出来ました。描き出しから空間がさわやかに捉えられていて、最後までその印象を大事にしながら完成させることが出来ました。

昼間部、T.Y君の作品。
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同じく6時間での制作です。炭の色幅を生かし、距離感や量感をうまく表現できました。全体に意識を巡らせ、バランスを大切にしながら描くスタイルに、今回新たに手に入れた描き方がうまくフィットたようです。

昼間部、Y.M君の作品。ジョルジョ。
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かなりの力をつけてきて、物の本質に迫れるようになってきました。自分がこれで限界と思うところまでやりきった上で、さらにその先があることを常に意識し、粘り強く挑戦していくことが大切です。この作品からはそんな気概が感じられます。

同じくY.M君の作品。アヒル。
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しっかり内側の構造を意識しながら制作しているのが伝わってきます。あとは作品として影(陰)がうまく使えるようになると良いです。粘土自体の色は単色ですが、陰影が作品を鮮やかに見せてくれるのです。表面を闇雲に探りすぎて生き生きとした土の表情が殺されてしまうと形が正確でも生命感は逆に失われていってしまいます。表面をつくる「形」だけに捕われず、モチーフが生きているということにも反応できるようになれると良いです。そうなってくると自然とやり取りも変わってくるはずです。

昼間部、R.Y君の作品。ヘルメス。
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着実に実力を伸ばしてきました。意識すべきことをしっかりこなしていくことで十分魅力的な作品に仕上げていくことが出来ます。まだまだモチーフの発する言葉に反応しきれていないところがあります。モチーフを目の前にしたときの分析力と、それを作品に置き換える為の技術力、その両方をさらに高めていけるよう頑張りましょう。

夜間部、K.Kさんの作品。ジョセフ。
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6時間ほどで仕上げた作品です。非常に明解で、一つ一つの作業が的確に像を説明しています。これまであった光源設定の統一感の弱さや具体的な形の抵抗感の表現の曖昧さについての問題も解消され、一貫して魅力的な作品作りに向かえたと思います。この調子でどんどん高めていきましょう。

さて、この他にもいくつか紹介したい作品がありましたが、写真撮りが間に合わなかったので次回にまとめたいと思います。
ところで僕は日々彫刻の制作をしていますが、先日一つ作品が完成しました。木彫作品で、2Mくらいあります。
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元は台座の丸太が上まで伸びてたと想像してもらえればと思います。流れる衣部分や腕など、丸太から飛び出た部分は寄せ木しています。(髪は元の木から彫り出しています)木彫界では全体の7割以上が1本の木から彫られた作品を一木彫りというそうです。となると僕の作品は…。ギリギリ一木彫り、なのかな??
台座とつながっている部分が小さく、バランスが悪い立ち方をしているので、そのまま彫ってしまうと折れてしまう危険があります。なので上から順に形にしていきながら、同時に空洞にしていき、彫り下げていっています。

僕はまだやっていることがアカデミック寄りですが、実際彫刻の世界は広くって、素材もその表現方法も多様です。しかし予備校で学ぶことは本当に基本的なことで、時には代わり映えしない内容に惰性で取り組んでしまうようなこともあるかもしれませんが、予備校で学べることは大学に持ち越さずにしっかり身につけておくと、その後の活動に大いに助けになってくれます。しっかり彫刻を(美術を)理解してから大学に行ってもらいたいと願っています。