日別アーカイブ: 2013年10月7日

油絵の筆について・その2

 

こんにちは。油絵科の関口です。(今回は自分の番ではありませんが、ピンチヒッターです)

さて、早いもので10月になりセンター試験の出願が始まりましたね。芸大をはじめとする国公立、センター利用の私立美大を受験する皆さんはもう出しましたか? 毎日一所懸命に制作に取り組んでいる人や、休みがちの人は特に忘れがちです。まだ出していない人は期限内に忘れずに出しましょう。

 

ところで、前回のブログでラファエルの豚毛の筆3592について、デザインの変更があった事を書きました。今日はその使用感について少し触れたいと思います。

まず最初の印象ですが、柄が太くなったので、当然の事ながら全体に重くなった感じがします。下の写真でも分かる通り、ちょうど持つ部分が太くなっているのが分かると思います。太いので掴みにくいと言うか、何かシックリきません。重心も前の方が重くなったので、自分的にはかなり違和感があります。

持ち方1
旧タイプの3592              新しいタイプの3592

正直な話、キッチリと描く「仕上げの筆」としては使いにくくなってしまった。と言わざるを得ません。こういう筆は、どうしても描き出しや大きな筆の持ち方になってしまいます。(この持ち方は、基本的に筆の角度を寝かせて使います)

持ち方2

同じラファエルの筆でも3572というシリーズ(フィルバートロングと言われているシリーズで、柄が黒くて金具が銅色のもの)なら、この太さでも良かった気がしますが・・・まあ、慣れもあるのかもしれません。

トゥールズの店員さんのお話では、ラファエルの筆は予告無く変更される事がしばしばあるそうですので、今後のデザイン変更に期待したいと思います。尚、現時点では以前のタイプの筆(青い印字のもの)がまだ若干残っているそうです。キッチリ仕上げたい人は、青い刻印の筆を買ってみて下さい。反対に新しいものにチャレンジしたい人はプラチナカラーの刻印の筆を選んで下さい。なんだかんだ言っても、道具は自分の感覚にフィットするかどうか?ですからね。

 

 

ちなみに、油絵の筆は日本画の筆と違って、柄の太さが均一ではありませんよね?

日本画筆
↑日本画の筆

ラファエル3592
↑油絵の筆

これには諸説がありますが、複数の筆を持った時に絵の具が他の筆に付かない様になっているのだとか。確かに生徒が描いている姿を見ていると、片手が千手観音状態になっている事もしばしば。

ちょっとした事ではありますが、実は理に適っているのです。

 

 

あと個人的な話になりますが、来週の木曜日から横浜の石川町にあるギャラリーアークという画廊で個展があります。もし会期中に横浜方面へ行く事がありましたら、是非お立ち寄り下さい。

優雅な空に風はじゃれ合う
10月17日(木)?10月26日(土) 会期中無休
AM11:00?PM6:00(最終日はPM5:00終了)

〒231-0024
横浜市中区吉浜町2?4 AXIS元町1F  ? 045-681-6520

ギャラリーアークのホームページ ?http://ark.art-sq.com